日本農業経営大学校の2年生は3か月の企業実習、1年生は4か月の先進農業経営での実習が必修ですが、いずれも自分で選定してお願いし実習に入ります。この日は1年生が世話になっている茨城県の横田農場、久松農園を訪問し、学生を激励、農場主に学生評価を聞きつつ経営の勉強をこちらもさせてもらう巡回です。
横田農場の実習生は宮城の稲作大規模経営主の息子のK君、この4か月を半分は愛知の鍋八農産、あとをこちらで世話になるもので、残り1週間でもありたくましくなっている感じでした。鍋八農産は今年の天皇賞、横田農場は数年前の天皇杯、K君はよいところを選び受け入れてもらったものと感心。
堀口は横田農場の話は九大・南石教授の農水省農の匠プロジェクトで聞いており、修一さんからもお聞きしていましたが、竜ケ崎市の農場そのものは訪問していませんでした。今回初めての訪問ですが、百聞は一見に如かず、ですね。
写真の1枚目は農場の入り口から今年稼働し始めた施設を遠望したものです。それまでは、屋敷内、そして今は機械を置く施設になってところ・40年前は集落の乾燥調整の施設であったところを最近まで使わせてもらい、今年からこの新設施設に乾燥調整を移した。なおそれまで利用していた機器をかなり移動させたので2億円で済んでいるもの。ホップ、ステップ、ジャンプの施設発展で、借地面積の拡大に対応できている。
2枚目は奥さんが主の米粉スイーツの販売店。
3枚目は130㏊を田植え機、コンバイン、1台ずつの利用で済んでおり、そのみそである機械の自己管理の様子です。従業員が作業が終了したコンバインを徹底的に解体しているもの。施設内に多くのゴムベルトが並んでいたが自分たちで点検。機械を1社に統一し、その代理店が近くにあるので故障の時もすぐに対応可能。ワンセットでは故障の時はどうする、という質問への回答でした。そして田植えや稲刈りを2か月もかけることが可能になるのは、販売戦略だけではなく、水配分の苦労があるはず。8か所のポンプ管理人を引き受け、地元にも喜ばれる管理を親父さんの協力も得て可能にしたこと、また彼の所の水田も半分以上はパイプ灌漑であること、地域全体の水田400ヘクタールへの水が比較的潤沢にあること等も、彼の戦略の成功要因になっていると思いました。大変勉強になりました。
久光農園は寒い雨の午後の訪問になってしまいましたが、今年は3人もの学生が希望の手を挙げ、前半は一人、後半は二人でしたが、有機農法、集団でやる中での人の使い方、週休二日制の意味等、参入農家だった久光さんの指導力を学生は勉強できたはず。堀口も初の訪問でしたが、学生の様子、特徴をよくつかんでおられることに感心しました。