日本農業新聞に載せた堀口著「農業経営の要点」8回シリーズをこちらにも載せます。

私が勤める日本農業経営大学校もコロナ関連で開講は5月連休明けになっています。それまではガイダンス等をオンラインで行い、学生との連絡を取っています。また課題として在宅プログラムを示し、学生は課題をスケジュールごとにまとめるよう指示してあります。外に出られない状況なので、自学自習を勧めています。3月末までに8回シリーズで堀口が日本農業新聞に書いた「農業経営の要点」、これを学生に送りましたが、このホームページにも載せて、一般の方にもお役に立てたいと思った次第です。参考にしてください。なお添付のPDFの冒頭には、学生向けに8回のそれぞれのトピック、ポイントを書いておきましたので、それから必要なトピックに飛んでみることも可能です。
20200417学生用自主学習資料日本農業新聞農業経営の要点

『農業経済研究』第91巻第3号冬季号・2019年12月に「ヒラ(技能実習ビザ)から幹部(技術ビザ)にも広がる外国人労働力」で載せました。

農業分野でも急速に増加する外国人労働力の直近の状況を書きました。主力は技能実習生ですが、海外大卒の技術ビザで来る人も増えているのに驚かされました。日本の企業がインドの大学に、米国と競って、高度人材を求めているのと状況は同じです。地域別にも統計を使い急速に増える地域や作目も議論しました。まだJ-STAGEに載っていないので会員ではない人は見るのが不便ですが、もう少しすると載ります。

2019年7月のブログで予告通り堀口・堀部編著『就農への道』を農文協から出しました。

この間、ホームページへの書き込みが少なく申し訳ないです。
本書は前から書きたかった本です。日本農業経営大学校の2019年4月は1年生が7期生なので、すでに設立7年目、すでに70数名を超える卒業生を出しています。これらの卒業生の活躍を前面に出して、若者が農業経営者の卵として実際に取り組む事例を紹介しました。もちろん、他のルートで就農した事例も多く紹介され、またそれを支援する政策も分析しています。新規就農だけではなく、親元就農でも色々なケースがあること、また最近増加している雇用就農にも触れました。紹介もしています。本書の自慢したい特徴です。
読んだいただけるとうれしいです。

早大出版部から小水力発電を書いた本を2019年10月に出しました。本のタイトルは文章で。

柏編著『地域再生の論理と主体形成』です。その第8章で堀口「小水力発電が果たす中山間地域の底支えー農村の再生可能エネルギー活用に向けて乗り越えるべき課題」を書きました。多くの小水力発電に関わる書籍はそれを称賛するにとどまっています。発電が安定している水力発電は称賛されるべきですが、大事なのは紹介事例が条件がよいところのものだけなのです。発電適地がもっとあるにもかかわらず、発電所の設置がなぜ増えないのか、なぜ固定買取の有利な条件下で太陽光発電のように急速に増えないのか、という疑問に全く答えていない。
早大時代からこのテーマを追及していましたが、新聞や雑誌にバラバラに書いていたものをようやく本にまとめることができました。本の出版費助成、長く重点領域で支えてくれた早大に深く感謝です。
基本は買取バブルと業界では称されていますが、既存の発電・水車、関連建設業界の「寡占」の下、太陽光パネルのように多くの企業が参入して価格引き下げ競争になる状態が、小水力では発生していなかったからです。オーダーメードの水力発電では競争が発生しにくい。高いコストでも、儲けが発生して地元に利益が残るような条件のいい地域の小水力だけが設置されたのですね。
この「寡占」を打ち破った事例として鳥取の実際を紹介し、これから取り組もうとしているところ、既存コンサルからあきらめるように言われたところ、これらに寡占を打ち破って採算が合う小水力発電設置を大いに増やすように勧めるのが本書のねらいです。

所沢市でも実証された「農業者は長寿で元気」を載せておきます。

下記の内容が、所沢市のホームページが更新されるので、見ることが難しいようです。そのため、ホームページに載っていた内容を掲載しておきます。これらの数字やアンケート等を現在、私どもで分析しております。
近く発表できると思います。堀口

農業者は元気!健康!長寿!
更新日:2019年3月15日
農林水産政策研究所の調査では、農業に従事している方と非農業者との寿命を比較すると、農業に従事している方の方が長寿であるという結果が得られております。このため、「農業」と「健康」には何らかの相関関係があるのではないかと推察できます。
これを受け、本市独自で、75歳以上の農業に従事している方(約500名)へアンケート調査を実施したところ、農業に従事している方の医療費はしていない方の医療費と比較して、一人あたり年間約20万円も少ないことがわかりました。
一人あたりの医療費(年間)
農業に従事している方・・・661,980円
それ以外の方・・・882,980円
→221,000円、農業に従事している方の方が少ない!
また、アンケートにおいて、以下のようなご回答をいただきました。
農業に従事していることでよかったことはありますか?
自分の健康を維持できる・・・29%
家族と一緒に働ける・・・21%
地域とのつながりが維持できる・・・17%
農業を通じて身体を動かす習慣が健康維持につながっていることを感じている方も多くいらっしゃるようです。また、農作業は自然や市場条件、季節に合わせ考えながら身体を使う労働なので、精神的・肉体的な健康に好影響を及ぼす適度な運動とも言われております。
早稲田大学の堀口健治名誉教授が、平成27年度に本庄市を対象に実施した調査によると、農業に従事している方は本市の今回の調査結果と同様、一人あたりの年間医療費が約20万円少ないとの調査結果を発表しております。さらに、この調査では非農業者よりも健康寿命(※)が長く、平均寿命においても男性で8.2歳、女性で1.6歳長いことも判明しております。
そうしたことから、農作業はもちろんのこと、市で実施している健康教室や、朝の散歩などをきっかけに、身体を動かす習慣をつけて健康な体を手に入れましょう!!
※健康寿命・・・介護を受けたり、寝たきりにならず日常生活を送ることができる期間
お問い合わせ
所沢市 健康推進部 国民健康保険課 後期高齢者医療担当
住所:〒359-8501 所沢市並木一丁目1番地の1 低層棟1階
電話:04-2998-9218
FAX:04-2998-9061
a9218@city.tokorozawa.lg.jp

9月5日のアグリフューチャージャパンのビジネスコンテスト

第1回の催しですが、卒業生を対象にしたビジネスコンテスト、最優秀賞に中瀬さん、優秀賞に荒木さん、それぞれ賞金を受け記者さんの取材を受けているところです。若手経営者を送り出す日本農業経営大学校、ここの卒業生は地域のリーダーやモデルに成長してほしいと願っていますが、その代表になってほしい。

久しぶりに長野県南牧村野辺山を訪れました。


高冷地野菜地帯に簡易な雨除けハウスだが、最初に見た時は驚いた。ホウレンソウである。ますますその面積を増やしているが、他方で露地野菜を増やし、また冬は他地域で農作業を請け負い、外国人技能実習生の周年の仕事を確保しようともする経営も出てきた。動きを注目したい。

外国人労働力問題で文科省の科研費に採択されました。

下記のテーマで2018年4月から3年間、研究を仲間とともにすることが出来るようになりました。審査委員の判断に心から感謝したい。2017年11月に筑波書房から堀口編で出版した『日本の労働市場開放の現況と課題』も、科研費を3年間いただいた、その成果になります。
その科研費の後、2年間立て続けに科研費不採択で、名誉教授でも研究代表者の年齢に対する配慮があり難しいかな、と思いつつ、今回も応募しました。それが採択になったのです。本当に感謝・感謝です。
2012年の春にカリフォルニア大デイビス校での在外研究から帰国し、カリフォルニア農業へのメキシコ人労働者の役割の研究(マーティン教授等)に刺激され、日本でも大事な研究テーマとして加速させようと思い科研費に応募したのです。ある人は、「ヤバイ」問題(人権に関わる)なのでは・・・とのアドバイスもあったのですが、私は自分の主要な研究テーマのひとつに据えました。
上記の本を見れば分かっていただけますが、日本農業の労働力調達で外国人は重要な位置をすでに占めている。また雇用契約を結ぶ労働者であると同時に on the job training で研修する技能実習生、これに対して半年も前に現地で面接し来日後に発効する雇用契約を日本の農家が結び、日本の農家もコストを分担して半年以上の日本語事前研修や往復の飛行機代等を日本の農家が負担する状況を把握しました。
その後はサントリー文化財団に東大の安藤教授が応募し、ここに加わって2年間、研究をシンポを主に継続できました。その上で今回の科研費採択です。
テーマに見るように新たな視角を入れています。技能実習生、その人数が個々の経営にとっても増えるのに連れて、指導しチームとして作業するための人が、家族員では足りず、日本人常雇いの増加につながっています。こうした雇用の急速な変化を、雇用型経営の位置付けとして農業構造の研究に展開させたいと思っています。
そして受入国での外国人の導入が農業構造にどのような影響を与えているか、比較研究も目指しています。

「労働力編成における外国人の役割と農業構造の変動ー国内農業地域と韓台米英との比較ー」

東大農学部で3月19日13時から外国人問題のシンポ

シンポジウム「外国人技能実習生制度の改正と今後の行方」

1.趣旨 高齢化・人口減少の下、外国人技能実習生の導入が急増している一方、それに伴い様々な問 題が発生し、昨年度は制度改正が行われたところである。技能実習期間はこれまでの3年間か ら5年間に延長されたが、その適用条件は厳しいものとなっている。また、中国に代わってベ トナムが最大の送出し国になるなど、国際労働力移動という点でも大きな変化が生じている。
本シンポジウムの目的は、そうした最新の状況を把握し、シンポジウム参加者の間で情報を 共有するとともに、外国人技能実習生制度の今後の行方について議論を行うことにある。農業 だけではなく、漁業と製造業の実情についても報告をお願いするとともに、労働力問題の2人 の専門家からもコメントをいただくことにした。この問題にご関心をお持ちの皆様方にとって、 本シンポジウムが実り多きものとなることを期待している。

2.日時・場所 日時:2018年3月19 日(月)13:00~17:30(受付開始 12:30~)
場所:東京大学農学部弥生講堂アネックス(地下鉄南北線東大前駅下車・徒歩3分) 農学部正門を入ってすぐ左手の建物です。

3.報告内容とタイムスケジュール
13:00~13:05 開会挨拶:堀口健治(早稲田大学名誉教授)
13:05~13:15 趣旨説明:安藤光義(東京大学)
13:15~13:45 現時点の農業における外国人労働力の重みと技能法・戦略特区以降の変容 :堀口健治(早稲田大学名誉教授)
13:45~14:15 ベトナム国における外国人技能実習生送出しの実際と実習帰国者の動向 :軍司聖詞(早稲田大学非常勤)
14:15~14:45 漁船漁業における外国人技能実習生への依存と海技士不足 :佐々木貴文(鹿児島大学)
14:45~15:15 自動車部品製造業の技能実習生雇用:上林千恵子(法政大学)
15:15~15:30 休憩
15:30~15:45 コメント①(長期的視点からみた農業における技能実習生受入の変化) :松久勉(農林水産政策研究所)
15:45~16:00 コメント②(情報遮断下の安定) :加瀬和俊(帝京大学)
16:00~17:30 総合討論(司会:安藤光義)

4.問い合わせ先 東京大学大学院農学生命科学研究科・農政学研究室 安藤光義 TEL&FAX:03-5841-5322 E-mail:ando@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp

本シンポジウムはサントリー文化財団の後援を得て、東京大学と早稲田大学が共同開催する ものです。参加費は無料です。事前登録の必要もありません。 ご関心のある多くの皆さま方の参加をお待ちしています。

3月1日、6次化の表彰式に出席しました。

 選考委員会の座長として大臣賞を沖縄県今帰仁村のあいあいファームに差し上げました。廃校の小中学校の施設を有効に使ったユニークな教育ファームです。プレゼンの写真にあるように活動は多彩です。地域の放棄地を借り受け、樹園地やハウスを経営し、色々なサービスにも取り組んでいます。
 局長賞も写真の3事業者にさしあげたのですが、山形のサクランボ(やまがたさくらんぼファーム)、新潟のトマトとイチゴそしてレストラン(高儀農場)、金沢の麦芽やホップにまで自ら取り組む地ビール(わくわく手づくりファーム川北)、いずれも特長があり、いずれ、次の時期に大臣賞を狙ってくれるものと思います。