早大出版部から小水力発電を書いた本を2019年10月に出しました。本のタイトルは文章で。

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柏編著『地域再生の論理と主体形成』です。その第8章で堀口「小水力発電が果たす中山間地域の底支えー農村の再生可能エネルギー活用に向けて乗り越えるべき課題」を書きました。多くの小水力発電に関わる書籍はそれを称賛するにとどまっています。発電が安定している水力発電は称賛されるべきですが、大事なのは紹介事例が条件がよいところのものだけなのです。発電適地がもっとあるにもかかわらず、発電所の設置がなぜ増えないのか、なぜ固定買取の有利な条件下で太陽光発電のように急速に増えないのか、という疑問に全く答えていない。
早大時代からこのテーマを追及していましたが、新聞や雑誌にバラバラに書いていたものをようやく本にまとめることができました。本の出版費助成、長く重点領域で支えてくれた早大に深く感謝です。
基本は買取バブルと業界では称されていますが、既存の発電・水車、関連建設業界の「寡占」の下、太陽光パネルのように多くの企業が参入して価格引き下げ競争になる状態が、小水力では発生していなかったからです。オーダーメードの水力発電では競争が発生しにくい。高いコストでも、儲けが発生して地元に利益が残るような条件のいい地域の小水力だけが設置されたのですね。
この「寡占」を打ち破った事例として鳥取の実際を紹介し、これから取り組もうとしているところ、既存コンサルからあきらめるように言われたところ、これらに寡占を打ち破って採算が合う小水力発電設置を大いに増やすように勧めるのが本書のねらいです。

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