近日発売の月刊誌『現代農業』8月号に「ソーラーシェアリングは推進すべき」を書きました。

副題は、抑制議論に異議あり、です。
シャインマスカット、玉露や碾茶のための寒冷紗掛け、さらにコンバインがソーラーの下で麦刈りをしている写真、これだけで営農型太陽光発電の意義がわかりますよね。
農業は手抜きで太陽光の収入だけを狙う人をやっつけるあまり、営農型太陽光発電に注意をせよ、慎重にせよ、という意見が大きく出ていますが、これは間違っています。
太陽光だけを狙う人には、退場させるだけの仕組みを急いで法制化する必要がありますが、本来の太陽光発電は、農地も太陽光も両方大事にしている。農地、林地が大量に転用されて、裸地の上にじかにソーラーを並べる野立て方式、これが大いに拡大しましたが、これからはこれは抑制しないと。
荒廃地は転用するのではなく、営農型発電へ、さらには放牧地や粗放型でも農地利用を目指すべきです。

『さくらんぼ社長の経営革命』矢萩美智著が中央経済社から出版されました。

訪問するたびに、いろいろ勉強させてもらっている矢萩さんが内容のある本をこの6月初めに出版されました。中央経済社・2700円ですが、一気に読める・引き込まれる本です。

山形県天童市で株式会社やまがたさくらんぼファーム(王将果樹園 & oh! show! cafe)を経営する矢萩美智さんの最初の著書である。250ページを超えるから厚いな、と思ったのだが、一気に読み終えるほどの内容ある本である。自信をもって推奨したい。
サクランボを主体にした観光農園の展開史だが、いくつかの経営危機を乗り越える話が横軸にあり、それぞれのトピックを客観的に説明する縦軸があって、うまく筋が展開していく。
パフェの展開の話が観光農園の全体の展開のそれと絡み合い、農福連携が従業員の雇用の話とも結びつき、コロナ禍の乗り切りが経営戦略に絡んでいる、と堀口は見ている。経営戦略は企業秘密でしゃべるものではないとしているが、読むことで大筋を学ぶことができる。

増える外国人農業労働者、彼らのキャリアアップのことを日本農業新聞に書きました。

急速に植える外国人労働者、技能実習生だけだと日本人との組み合わせなどが主になりますが、特定技能が急速に増え経営体ごとの上限がないので、雇用者のほとんどが外国人という状況も出てきています。
日本人雇用者もキャリアアップの仕組みがあることで定着率が上がりますが、外国人も同様だということを強調しました。
なおこうしたことに関連する写真は意外に少ないですね。
澤浦さんのところの写真を頂きました。
私のは、経営者が機械を運転し、ゴボウ等をベトナムの女性が集めるといった写真は自分の原稿に使っていますが、日本人幹部、外国人ヒラという関係ですね。
しかしどんどん構成が変わってきています。実態をさらに把握せねば。

4月28日午後、ソーラーシェアリングサミットで政策の上での意義を強調しました。

20分でしたが、パワポを14-15枚くらい使い、報告しました。会を主催している馬上氏、小山田氏のそれぞれの経営の特長も紹介できました。
大事な点は、ソーラーシェアリングの下で、農業が一段と伸びていることです。富士宮市のカネヘイファームがその典型で、ソーラーがあることで玉露になり、さらに輸出が伸びるはずの抹茶も作れる。煎茶需要の劇落に対して、抹茶は需要急増です。ソーラーに期待したい。次いで群馬のファームドウを紹介し、イチゴをはじめ施設園芸をさらに広げることを予定しておられるが、このハウスの南面上にびっしりとパネルが貼ってある。この収入が、施設園芸の投資を助け、経営にとって、収入の安定化に貢献している。また、小山田氏のすべてのソーラー、すべて放棄地の利用ということにも注目。最近は放棄地の地主から、借りてほしいという要請が多いとのこと。
翌日の日本農業新聞は、これ等のソーラーシェアリングには23年度の固定買取10円では合わず、経産省が24年に工場の屋根置き用に12円を新設するという。それなら、屋根なら梯子をかけるのでコストアップを考慮というが、もっとコストがかかるソーラーシェアリングの買取を新設せよ、ここが新聞には取り上げられていました。20230502日本農業新聞20230429_3面

4月25日友人の金谷氏と久しぶりに群馬のファームドゥを訪問、ソーラーシェアリングについて岩井社長のお話、お聞きできました。

ソーラーシェアリング、その世界では知らない人はいない先駆者であり、また実践家でもあります。海外にもモンゴルをはじめ普及に力を入れておられる。高崎市の中里を主に、計17haの面積でソーラーファームを展開しておられ、農業は農地所有適格法人ファームクラブが担う。多くの若者が働き、そして農福連携にも力を入れている。訪問当日は11人の新入社員の研修会でした。若々しいですね。
その後、施設園芸を主に、コーヒーやキュウリ等を見学。さらにはこれから展開する上細井の8.4haの新規取得の農地に、いちご11棟、トマト4棟、その他等、施設園芸を主にソーラーで取り組まれる。その場合、構想として、施設はファームドゥが設置・提供し、それを受ける若者が経営する仕組みをスキームとして展開するという。
ソーラーシェアリングは、経常利益は電力が圧倒的で、農業はしっかりしているが経常利益としては十分な成果が出ない。農業は栽培はよくできているものの、収益性がなかなか成果が出ないことが多い。ここを経営が任される若者の力で突破してもらいたい。
写真は、コーヒーやキュウリだが、結構、太陽光パネルが多く載っている。また、ハンドルでテーブルを動かすことで、通路面積を少なくする工夫には感心した。


「農業者は長寿で元気」のテーマを堀口は実証していますが、学会誌に載っていないとの間違った批判があります。

批判するのであれば、論文を実際に見て発言してもらいたいものです。SNSでそうした批判がなされていることを友人が教えてくれましたが、すべてこれに関する堀口の論証は査読がない雑誌のみで、学会誌に載っていないという批判です。中身よりもそれが問題らしい。堀口は査読がなくても、しっかり編集機能がある雑誌であれば、問題は無いと思いますが・・・
2019年9月17日発行の共生社会システム学会『共生社会システム研究』 Vol.13,No.1 に、堀口・弦間・軍司の共著で「後期高齢者医療費が少ないグループの検出とその意義ー埼玉県本庄市の自営農業者グループを対象とした実証ー」があります。査読のある学会誌です。

後期高齢者である農業者の年平均医療費が「その他の人」の医療費と比べ、格段に少ない、という堀口の指摘は、「その他」の中に入院したりしている人などをすべて含めるので、それは当然ではないか、という批判があります。
その点について、論文中の表2で、前年は農業に従事していた人が翌年はどうか、その中には体を壊したりして入院したりする人が、その年に出てくるので、年間の平均医療費が増加しています。2014年のこの数字は極めて大事です。農業者も当然離農したりするほどに体を壊したりする人が出てくるので、平均医療費が上がるのです。その意味で、「その他の人」と同じ状況です。なおその他の人は、毎年元気な75歳の人が加わってくるので、また亡くなる方もあって、平均医療費は90万円前後で一定です。農業者の2014年は73万円なので、その他の人と比べて、医療費が少ないのですね。
ということは、農業者も、体がもたずに農業をやめ、入院する人もいるので、平均医療費が上がります。しかしその程度が、その他の人のそれよりも低いのですね。農業者は長寿で元気、という意味は、そのことも含み、いわゆる「ピンピンコロリ」の状況を示し、健康寿命がその他の人よりも長いことが実証されているのです。

その学会誌を図書館等で読んでいただきたいと思います。この学会誌は『日本型アニマルウェルフェアの展開を目指して』のタイトルの本の形式の中に載っています。農林統計協会の出版で、この本を購入いただくのが早いかもしれません。

この研究はその後も継続していますので、さらに多くの方に容易に読める形で提供したいと思います。堀口

4月28日の金曜午後にソーラーシェアリングのシンポが開かれます。ご参加ください。

事前にお知らせするのは今まであまりしておりませんでしたが、これからは大事な情報、積極的にアナウンスしたいと思います。

【◇4/28、東京でソーラーシェアリングサミット2023開催♪ 】

2013年3月末に農林水産省が営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)に関する通知を発出して、10年が経ちました。食料とエネルギーを農地で共に生産するソーラーシェアリングの価値は、日本だけでなく世界各国で研究開発や技術実証が進められており、人類共通の価値観として受け入れられつつあります。次の10年のソーラーシェアリングが社会にどのような貢献を果たしていくのか、またその普及に向けてどんな課題があるのか、様々な立場の有識者を交えて幅広く議論する「ソーラーシェアリングサミット2023」が東京・千代田区の会場で開催されます。

詳細は下記URLを参照ください。
https://agrivoltaics-summit-2023.peatix.com/

-共同代表理事 馬上 丈司(千葉エコ・エネルギー)-

再エネの第3回の水資源、第4回の畜産バイオマスの記事を載せます。日本農業新聞23日、24日です。

水資源は、小水力発電、そして意外に忘れられているため池の太陽光発電、を紹介しました。

畜産バイオマス、ようやく糞尿を利用しての発電、展開してきているが、並行して出てくる消化液、その内容は貴重な肥料になるのに、使わずに河川等に流している。もったいない。濃縮化、固形化、の技術が進んできているので、大量に出てくる消化液を地域で有効に使ってもらいたい。そのためにはサービス会社等、仕組みが必要。
また小規模の畜産ではメタンガスによる熱利用の仕方もあることを紹介した。バイオマス発電のみが有効利用でもない。

日本農業新聞での農業・農村での再エネ連載、今回は4回目の3月24日で終了です。

木質バイオマスは今回外しました。日本農業新聞の25日の論説は、「発電用の木質燃料、安定供給へ体制を築け」、そうなんですね。
管理できていない、だから利用もされていない日本の膨大な森林資源、そして足りないからヤシ殻などを大量に輸入している。
ならば、日本自身で、主伐・植林・下刈り、この仕組みをどう構築するか、これに応えないと、安定供給体制にならない。ここが堀口にはまだわからないので、今回は外した次第。急いで研究・調査します。
21日、22日の第1回、第2回の記事、カラーで写真がはっきりわかるように、記事を載せておきます。
記事では、太陽光、今までの林地や農地転用で面積を稼いできたのだが、農地は自給率をあげるためにはこれ以上の減少は避け、そのためにもソーラーシェアリングを大いに強調しました。しかし、今も荒廃農地が多く発生し、その面積は大きいので、今回もそこに目を付けている事業者が多い。そして、それは「再エネ」なので、オフサイトで再エネが欲しい企業に売る戦略が動いているように思われます。まだ調査していませんが・・・

3月19日の日本農業経済学会で「日本農業における外国人材の受け入れの現状と課題」で座長を務めました。

アジア農業経済学会との共催だったので、多くのセッションがあり、我々のは正式な学会シンポなのですが、2時間の短さでした。しかしこの大事なテーマがようやく農経学会のシンポテーマになったことを喜びたいと思います。
青山学院大学の立派な本多記念国際会議場で開かれ、堀口は座長としての解題、カンボジア・シプロ社の相談役・和泉さんが送り出し機関の役割、北海学園大の宮入さんが北海道を事例に外国人労働者の農業での受け入れ実態、札幌エージェントの土居さんが派遣形態による外国人のホームヘルパー、計4人の報告を1時間強で終え、その後は活発な質疑を受けて議論しました。これが論文で学会誌に載るのは半年後でしょうから大分先になりますが、いろいろな形でその内容を雑誌等で先に読めるように努力したいと思います。
堀口が使った図表で、下記の図は日本人の49歳以下の新規就農者数の推移です。直近では新規に雇用就農した数が8500人であり、今まで最大を占めていた新規自営農業就農者(自家に家族として就農)がそれを初めて下回ったことが話題になりましたが、それでもまだまだ新規就農者の数は少ないですよね。
それに対して、2枚目の図は農業に従事する外国人の数です。直近は2022年10月末の数字ですが、構成がまだわからないので、計の43600人のみわかるのですが、図に載せていません。しかし図の2021年のそれと比べると1年間でちょうど5千人の増加です。雇われ日本人の増加が8500人でしたから、これに5千人という数(この外国人は雇われでしかも若手ですからおなじ対象です)は貴重です。新規に人を雇いたい農家・法人は、その3分の1は外国人に依存しているということになります。
コロナ以前の4年間は、毎年の外国人の増加量が4千人なのですね。コロナあとが5千人、多分、これからさらに増えるでしょう。この日本農業を強化する、数少ない要因の、大事なひとつである外国人、これを注目しておく必要があると思われます。

20230320新規就農者数

20230319農業従事外国人人数