軍司・堀口の共著ですが、2022年3月、日本地域政策学会誌『日本地域政策研究』28号に載りました。
この雑誌は、ネット検索で探し、該当号で論文をクリックすれば、内容を読むことができます。
いまだに農業分野での外国人労働力を単純労働力のみと思い込んでいる人が多いようですが、技能実習3号そして特定技能1号の人は、雇用先でチームリーダーになったり、準幹部になっている人が多く、経営にとって重要な役割についています。さらに技術・人文知識・国際業務の「技人国ビザ」(技術ビザとかエンジニアビザとも)の人も増えています。日本人幹部と同じ位置で、給与水準も高く、また技能実習生の寮とは分けているところも多いです。
彼らの役割は、堀口「ヒラ(技能実習ビザ)から幹部(技術ビザ)にも広がる外国人労働力―農業通年雇用者不足下の外国人の急速な量的質的拡大―」『農業経済研究』91巻3号、2019年で説明しているように、多くの労働者を確保する量的な充足の人だけではなく、質的にも必要な人材として位置づけられています。とくに2019年に導入された特定技能1号は、農業分野では技能実習生を経験して技能や日本語の一定のレベルを踏まえた人が多いので、リーダーや幹部に就く人が目立ちます。
また検討されていますが、特定技能2号に農業も加わった場合、この選択肢は外国人、雇用する経営者、双方にとり、新たな雇用の位置づけをもたらすと思われます。注目する必要があります。