不熟練労働力を受け入れる日本独特の技能実習制度について実際と機能を学会誌に書きました。

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残念ながら技能実習制度という言葉を聞くだけで、人権侵害、「奴隷労働」を語る人がいるようですが、コロナを経ても、来日してくれる、手が上がるということは、そうではなくて、来てくれる人にとってメリットがあるのですね。
雇用契約を結び、かつ on the job training なので、形式と実態が矛盾することはありません。帰国後は半分は元の会社に戻り経験を生かしているようです。しかし日本の実習は、細かな職種指定なので、帰国後にそれにぴったり合う仕事が直ぐに見つからないことも事実です。しかし、実態調査をすると、日系企業(途上国では多くが現地の大卒者が就職し、技能実習に来るような高卒以下の若者には採用の機会がありません)で、彼らが実習の経験を活かして多く働いており、またカンボジアでは日本語学校の教員になっている人にも多く会いました。これらも技能実習の研修の成果が生きているといえます。
一部にみられる人権侵害は、摘発・改善すべきですが、制度そのものが全体として、どのように機能しているか、まずは実状を広く把握する必要があります。前法務大臣が技能実習制度そのものが悪の根源で抜本的に見直す、という発言は、誤解を招くもので、実態をまずは正確に把握すべきだと思います。

日本地域政策研究、という日本地域政策学会の機関誌で直近の28号(2022年3月25日)
に、「農業分野における外国人労働力導入の現況と研究視座」で、全体の概観と色々な人の研究業績を紹介しました。実際とその機能を理解するのに、便利なものになると自負しています。ネット検索で、「日本地域政策研究学会」を探していただき、機関誌のところをクリックすると、どなたでもPDFで読むことができます。

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