日本農業新聞10月15日の農村学教室に再エネのことを書きました。

最近、話題になることが少ない小水力発電ですが、現場では関係者の努力で資源開発や、古い発電所を更新する動きが出ています。しかもFITに載せるのですが、それを当たり前のように大手電力会社に渡していたものが、地域のため、地産地消に使ってもらう動きが強まっています。自治体が関心を強めています。うれしいことです。
20231015日本農業新聞_農村学教室_小水力発電普及(堀口先生)

ソーラーシェアリングは推進すべき-抑制議論に異議あり、の主張は大事

20230707PDF 堀口、現代農業8月号

現代農業に書いた記事は大事で、2か月前のものですが、読めるように掲載します。写真も大事。

そしてその後に出した、日本農業新聞掲載の、意見広告、これはさらに考えを明確にしたもので、再生エネルギー、FITに載せて満足しているのでは間違いで、エネルギーの地産地消、を同じ考えの人とともに、出しました。
この投稿のひとつ前の記事ですが、記事の中の、日本農業新聞、これをクリックすると読めます。

営農型太陽光発電は、すぐに対応できる、取り組みやすい地域電源、であり、自分のためにだけでなく、地域のために、農業・農村に貢献するように、販売先を電力会社から新電力株式会社へ変えてほしいという願いです。どこをどう応援するか、選択した先の新電力とよく相談ください。

農業・農村のエネルギー自給戦略、日本農業新聞に意見広告を出しました。

20230905日本農業新聞_意見広告

上記の字をクリックください。
9月5日・火曜の日本農業新聞です。エネルギーの地産・地消、という考え方の推奨です。
農業・農村には自然エネルギーが多くあるにもかかわらず、発電所をとれば、その多くが電力会社を通じて電気が都会に行き、また投資も都会からきてその成果も都会へ・・・ですね。
他方で電気を農業・農村も結構使っているのに、「隣にある」農業・農村の発電所は、FITで電力会社に電気を渡している。その電気を使わせてもらえばいいのに。
そのためには、地域新電力や自治体電力、を使う必要があるが。

同じ思いの人と、そして上記を営農型太陽光発電で実践している企業の方とも図って、意見広告を出しました。堀口

近日発売の月刊誌『現代農業』8月号に「ソーラーシェアリングは推進すべき」を書きました。

副題は、抑制議論に異議あり、です。
シャインマスカット、玉露や碾茶のための寒冷紗掛け、さらにコンバインがソーラーの下で麦刈りをしている写真、これだけで営農型太陽光発電の意義がわかりますよね。
農業は手抜きで太陽光の収入だけを狙う人をやっつけるあまり、営農型太陽光発電に注意をせよ、慎重にせよ、という意見が大きく出ていますが、これは間違っています。
太陽光だけを狙う人には、退場させるだけの仕組みを急いで法制化する必要がありますが、本来の太陽光発電は、農地も太陽光も両方大事にしている。農地、林地が大量に転用されて、裸地の上にじかにソーラーを並べる野立て方式、これが大いに拡大しましたが、これからはこれは抑制しないと。
荒廃地は転用するのではなく、営農型発電へ、さらには放牧地や粗放型でも農地利用を目指すべきです。

『さくらんぼ社長の経営革命』矢萩美智著が中央経済社から出版されました。

訪問するたびに、いろいろ勉強させてもらっている矢萩さんが内容のある本をこの6月初めに出版されました。中央経済社・2700円ですが、一気に読める・引き込まれる本です。

山形県天童市で株式会社やまがたさくらんぼファーム(王将果樹園 & oh! show! cafe)を経営する矢萩美智さんの最初の著書である。250ページを超えるから厚いな、と思ったのだが、一気に読み終えるほどの内容ある本である。自信をもって推奨したい。
サクランボを主体にした観光農園の展開史だが、いくつかの経営危機を乗り越える話が横軸にあり、それぞれのトピックを客観的に説明する縦軸があって、うまく筋が展開していく。
パフェの展開の話が観光農園の全体の展開のそれと絡み合い、農福連携が従業員の雇用の話とも結びつき、コロナ禍の乗り切りが経営戦略に絡んでいる、と堀口は見ている。経営戦略は企業秘密でしゃべるものではないとしているが、読むことで大筋を学ぶことができる。

増える外国人農業労働者、彼らのキャリアアップのことを日本農業新聞に書きました。

急速に植える外国人労働者、技能実習生だけだと日本人との組み合わせなどが主になりますが、特定技能が急速に増え経営体ごとの上限がないので、雇用者のほとんどが外国人という状況も出てきています。
日本人雇用者もキャリアアップの仕組みがあることで定着率が上がりますが、外国人も同様だということを強調しました。
なおこうしたことに関連する写真は意外に少ないですね。
澤浦さんのところの写真を頂きました。
私のは、経営者が機械を運転し、ゴボウ等をベトナムの女性が集めるといった写真は自分の原稿に使っていますが、日本人幹部、外国人ヒラという関係ですね。
しかしどんどん構成が変わってきています。実態をさらに把握せねば。

4月28日午後、ソーラーシェアリングサミットで政策の上での意義を強調しました。

20分でしたが、パワポを14-15枚くらい使い、報告しました。会を主催している馬上氏、小山田氏のそれぞれの経営の特長も紹介できました。
大事な点は、ソーラーシェアリングの下で、農業が一段と伸びていることです。富士宮市のカネヘイファームがその典型で、ソーラーがあることで玉露になり、さらに輸出が伸びるはずの抹茶も作れる。煎茶需要の劇落に対して、抹茶は需要急増です。ソーラーに期待したい。次いで群馬のファームドウを紹介し、イチゴをはじめ施設園芸をさらに広げることを予定しておられるが、このハウスの南面上にびっしりとパネルが貼ってある。この収入が、施設園芸の投資を助け、経営にとって、収入の安定化に貢献している。また、小山田氏のすべてのソーラー、すべて放棄地の利用ということにも注目。最近は放棄地の地主から、借りてほしいという要請が多いとのこと。
翌日の日本農業新聞は、これ等のソーラーシェアリングには23年度の固定買取10円では合わず、経産省が24年に工場の屋根置き用に12円を新設するという。それなら、屋根なら梯子をかけるのでコストアップを考慮というが、もっとコストがかかるソーラーシェアリングの買取を新設せよ、ここが新聞には取り上げられていました。20230502日本農業新聞20230429_3面

4月25日友人の金谷氏と久しぶりに群馬のファームドゥを訪問、ソーラーシェアリングについて岩井社長のお話、お聞きできました。

ソーラーシェアリング、その世界では知らない人はいない先駆者であり、また実践家でもあります。海外にもモンゴルをはじめ普及に力を入れておられる。高崎市の中里を主に、計17haの面積でソーラーファームを展開しておられ、農業は農地所有適格法人ファームクラブが担う。多くの若者が働き、そして農福連携にも力を入れている。訪問当日は11人の新入社員の研修会でした。若々しいですね。
その後、施設園芸を主に、コーヒーやキュウリ等を見学。さらにはこれから展開する上細井の8.4haの新規取得の農地に、いちご11棟、トマト4棟、その他等、施設園芸を主にソーラーで取り組まれる。その場合、構想として、施設はファームドゥが設置・提供し、それを受ける若者が経営する仕組みをスキームとして展開するという。
ソーラーシェアリングは、経常利益は電力が圧倒的で、農業はしっかりしているが経常利益としては十分な成果が出ない。農業は栽培はよくできているものの、収益性がなかなか成果が出ないことが多い。ここを経営が任される若者の力で突破してもらいたい。
写真は、コーヒーやキュウリだが、結構、太陽光パネルが多く載っている。また、ハンドルでテーブルを動かすことで、通路面積を少なくする工夫には感心した。


「農業者は長寿で元気」のテーマを堀口は実証していますが、学会誌に載っていないとの間違った批判があります。

批判するのであれば、論文を実際に見て発言してもらいたいものです。SNSでそうした批判がなされていることを友人が教えてくれましたが、すべてこれに関する堀口の論証は査読がない雑誌のみで、学会誌に載っていないという批判です。中身よりもそれが問題らしい。堀口は査読がなくても、しっかり編集機能がある雑誌であれば、問題は無いと思いますが・・・
2019年9月17日発行の共生社会システム学会『共生社会システム研究』 Vol.13,No.1 に、堀口・弦間・軍司の共著で「後期高齢者医療費が少ないグループの検出とその意義ー埼玉県本庄市の自営農業者グループを対象とした実証ー」があります。査読のある学会誌です。

後期高齢者である農業者の年平均医療費が「その他の人」の医療費と比べ、格段に少ない、という堀口の指摘は、「その他」の中に入院したりしている人などをすべて含めるので、それは当然ではないか、という批判があります。
その点について、論文中の表2で、前年は農業に従事していた人が翌年はどうか、その中には体を壊したりして入院したりする人が、その年に出てくるので、年間の平均医療費が増加しています。2014年のこの数字は極めて大事です。農業者も当然離農したりするほどに体を壊したりする人が出てくるので、平均医療費が上がるのです。その意味で、「その他の人」と同じ状況です。なおその他の人は、毎年元気な75歳の人が加わってくるので、また亡くなる方もあって、平均医療費は90万円前後で一定です。農業者の2014年は73万円なので、その他の人と比べて、医療費が少ないのですね。
ということは、農業者も、体がもたずに農業をやめ、入院する人もいるので、平均医療費が上がります。しかしその程度が、その他の人のそれよりも低いのですね。農業者は長寿で元気、という意味は、そのことも含み、いわゆる「ピンピンコロリ」の状況を示し、健康寿命がその他の人よりも長いことが実証されているのです。

その学会誌を図書館等で読んでいただきたいと思います。この学会誌は『日本型アニマルウェルフェアの展開を目指して』のタイトルの本の形式の中に載っています。農林統計協会の出版で、この本を購入いただくのが早いかもしれません。

この研究はその後も継続していますので、さらに多くの方に容易に読める形で提供したいと思います。堀口

4月28日の金曜午後にソーラーシェアリングのシンポが開かれます。ご参加ください。

事前にお知らせするのは今まであまりしておりませんでしたが、これからは大事な情報、積極的にアナウンスしたいと思います。

【◇4/28、東京でソーラーシェアリングサミット2023開催♪ 】

2013年3月末に農林水産省が営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)に関する通知を発出して、10年が経ちました。食料とエネルギーを農地で共に生産するソーラーシェアリングの価値は、日本だけでなく世界各国で研究開発や技術実証が進められており、人類共通の価値観として受け入れられつつあります。次の10年のソーラーシェアリングが社会にどのような貢献を果たしていくのか、またその普及に向けてどんな課題があるのか、様々な立場の有識者を交えて幅広く議論する「ソーラーシェアリングサミット2023」が東京・千代田区の会場で開催されます。

詳細は下記URLを参照ください。
https://agrivoltaics-summit-2023.peatix.com/

-共同代表理事 馬上 丈司(千葉エコ・エネルギー)-