7月6日本庄財団の農と食の部会の企業の人と日本初の角度を調整できるソーラーシェアリング

伊豆の国市で、水田の上に3.5メートルの高さでパネルをパイプで支え発電する仕組みを皆で行って来ました。手で角度を調整できるタイプで水田の上のソーラーシェアリングは日本初。
この「スマートライフ発電所」は水田を経営する農家自身の発案・施工であり、農業委員会への交渉も、工事を請け負った「発電マン」、県立大学の先生との協力で突破。手での角度調整はつくばのソーラーカルチャーの技術協力を得ていますが、ワイヤーで角度を変えているのでそう難しいようには見えませんでしたが、しかし実際は大変で固定式の方がはるかに簡単とのこと。キロワット当たりの工事費は33万円(固定式だとこの1割弱安い)、10aの水田の全体工事費は1600万前後、売電予定は200万(税別で36円単価の計算)くらい。融資は、簡単ではなかったが、旧農林公庫が最後にOK。まだ作付が終えていない農地(30アールの10a分)は地元信金が出すとのこと。台風や雪などに対応可能ですね。太陽光の角度にも合わせられる。
請け負った株式会社発電マンの岩堀さんが日曜に見学会を開いてくれたので、早速皆で伺いました。柱は5メートル間隔なのでトラクターや田植え機は大丈夫。が、8条植えの最新式の
20140706水田のソーラーシェアリング伊豆の国市
田植え機は難しい。単管の下は60センチの深さに生コンのかたまりを入れて支えている。隣は里芋のソーラーシェアリングだが、全く同じやり方。
パネルは既製品によい大きさがないので特注。遮光率は38%(端が5メートル確保できず4.5mなので35%を超えた)だが、6月半ばの田植え、同月末のパネル完成、まだあまり時間が経過していないが隣の田と比べて遜色は無さそう。
成果を期待したい。日本発のこの空間の高度利用、見学会に来ていたつくばのスラーブカさん、スロバキア出身だがサイトで発信をしていると、太平洋の離島関係者から大きな関心が寄せられているとのこと。土地を覆い尽くすメガソーラーへの批判としてのソーラーシェアリングだが、我が意を得たり・・・の感じです。
下の写真は、この設置を進めた発電マンの岩堀社長、その前にあるのが手動で動かすパネルの角度調整機。まだ右側の里芋の畑のパネルだけで、左の水田はこれから。10aの農地の上に張ってあるパネルを一斉に動かすのでかなり力が要ります。
20140712手動の水田のソーラーシェアリング

5月14日は大学の大隈庭園で田植え、翌日は福島県富岡町の田植えです。

11年目を迎える、学生たちの農楽塾が作った「わせ田」は、いい田になりました。井本農楽塾幹事長、棚田で著名な名誉教授の中島先生、農水省の奥山課長、そして今年はボランテイアセンター事務長の本間女史も、そして私と、手植えをして写真に応えました。この写真は今年春作業を終えたところのわせ田です。
20140514わせ田

翌日は、この被災4年目でようやく除染が終わった、わずか4枚の田・1.2㏊を、分散した被災地の仮設住宅から集まる農民が田植えをするということで、応援しに福島県富岡町に行きました。写真の日付は16日ですが正確には15日。・・・・農地の除染はこの1月から。周りの他はすべて草ぼうぼう。夜間は残れない立ち入り制限区域なので、4年前から無人のままなので異様です。そこに農民が食用の稲を植える準備をし、水路も遠くから整備して、当日は十分の水。初めての田植えなので、多くのメデイア、田植え農民よりも多く、我々も見守る。写真は最新鋭の田植え機(400万円)なので、数時間で終了。もったいない・・・・・しかし、ようやく水田に取り組める農民は元気いっぱい。早く除染を、早く農地復活を願う。なお奥のタワーは第2原発の排気塔。そして青いビニール袋が向こうに並んでいますが、除染した土や草を入れた仮置き場。

そこに、大学の若手が運んできた、稲を観察するカメラと太陽光パネル。スマホを安く手当てしてくれたようですが・・・・これを設置。彼らに感謝。数時間ごとに写真を送ってもらい、今後公開するサイトに載せる予定。
補植をする渡辺組合長も喜びにあふれています。

20140515富岡町の田植え

201405151稲を成育を日に数回撮影送信する富岡町

20140515富岡町渡辺組合長

日本農業経営大学校、新しい校舎、初めて訪問しました。農業者大学校が「仕分け」で廃校、その後の復活です。

理不尽な仕分けで多くのリーダーや農業経営者を輩出した大学校の廃校、そのあとに関係者、特に農中金・農協・民間企業の応援で立ち上がったアグリフューチャージャパン、うれしいですね。品川に改装・高層化した農中金の研修センターのフロアを利用した2年間教育です。
驚いたのは、1,2年生全員で41名、いずれも農業就業を目指している点で、青年就農給付金150万を受け、授業料や全寮制の寮費なども賄う平均24歳の若者集団です。
ここで多くの講師に並んで堀口も特別講義を、という岸校長からの要請でした。喜んで・・・・しかし相当準備しないと突っ込まれるね。

20140422農業経営大学校3N1A9788

連絡・会合のページにある堀口ゼミ出身の苅谷君の結婚式の記事と写真

写真を堀口の今の技術ではうまく載せることが出来ないので、ここに載せることにしました。いずれ、原因を克服して対応しますが、現在はここに写真を載せます。下記の文章は連絡・会合にある文章です。

早大政経学部堀口健治ゼミ19期生(2009年4月から2011年3月まで)の苅谷雄大君が萌さんと結婚しました。彼らが活躍した六本木アークヒルズのカラヤン広場で2014年3月22日に行われ、生産者である出展者の皆さんにも祝ってもらえる、実に楽しい、よく工夫した祝宴の印象。安田君をはじめ同期の諸君らとも会え、楽しい会合にもなりました。彼らが若者援農隊で今に続くマルシェの仕組みを支えてきたことに驚き。

20140323苅谷君、萌さんの結婚式

20140322マルシェでの結婚式苅谷君、萌さん

『再生可能資源と役立つ市場取引』が2014年3月20日に御茶の水書房から出版されました。

再生資源を過剰利用等から引き離して望ましい利用等を維持しつつ、そのための水利権や漁業枠、
生産枠や直接支払受給権などを市場で取引することで、望ましい担い手や利用者に渡るようにする
方式を議論しました。ただし取引市場のプレイヤーを制限し誘導が必要なことも強調しました。
すでにアマゾンや楽天でも注文できます。
20140323権利の本の表紙

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なお著者の一人である鷲津明由さんの名前が、執筆者紹介以外では、亜由、になっています。お詫びし訂正します。

念願の大分県富士緒井路土地改良区の白水ため池を訪問しました。

水と農業用ため池の構造物が織りなす、水の芸術、とでもいうべきでしょうか。半世紀も前にこれを設計し作り上げた先人のセンス、設計技術、すべてに感動。
これの下に、水田と、100年(37年前に更新)と30年を経過する2基の発電所が働いています。この様子を調べに行ってきました。小富士村と緒方町とに関わるので富士緒です。井路とは水路、なお、はくすいダム、と呼ばれますが、規模からいってダムではなくため池、それも農業用に作られました。先人の偉業、実感です。DSC08728

2014年2月中旬に山形と鹿児島で小水力発電を更新する土地改良区を訪問

30年前に小水力発電に取り組んでいた土地改良区があるのですね。山形市の最上川中流土地改良区もその一つで、昭和61年稼働の落差を利用した発電所です。今回、発電機、水車を変えることで固定買い取り制度に載せることができる。発電所に掲げられた水利権の内容表示です。

DSC08506

63年稼働の十三塚原土地改良区は、畑地灌漑用の農業ダムの建設にあたって、余剰水放流と下流の発電所及び慣行水利権のための責任放流を受けて、これを発電し河川に流すことにしたのです。これも今回、発電機と水車を取り替えて、固定買い取りに載せることにしたのです。今までの安い価格の売電から高い価格の売電になるので、土地改良区は大助かりで、農家組合員の賦課金の軽減に役立つでしょう。
ダムでいままでそのまま放流していたのを、急いで発電に結び付ける動きを電力会社はしていますが、同じことです。

NHKのEテレで放送された戦後史証言の山形県高畠町の有機農業、力作です。

1月25日の夜1時間半ありましたが、2月1日土曜の深夜0時代に再放送があるようです。古い写真もよく探し出し、有機農業研究会に結集した若者の運動、内部にもいろいろな見解があり、一律ではなかったことがよくわかります。様々な人が出てきます。勉強になります。なおその後の展開にも触れてほしいですね。

パルシステム東京のエネルギー産直の話を聞きました。

安全・安心の「食の産直」から「エネルギーの産直」に乗り出しているパルシステム東京、1月16日にさらに話を聞きに行ってきました。組合員の支持もあり、バイオと小水力発電を主体に、食で関わりのある地域で生まれる再生エネルギーを電力会社に売るよりも高く、プレミアムを付けて直接に生協の子会社(新電力会社)が購入する方式である。同生協の事業所の電力に充てている。

昨年4月からすでに村山市のバイオ発電所から来ているが、そのあと、栃木と山形の二つの土地改良区の小水力発電とも契約を交わして、安全・安心の電力を購入し、資源を支える地元・地域を応援する仕組みである。日本生活協同組合連合会も同じ方式を取り入れ、関西を主に自然エネルギー購入に参入するようである。

他の新電力会社の動きも見ながら、こうした地域と結びついている動きを注目したい。

1月27日にサイトで確認したが、パルシステム東京はこの1月から栃木県の那須野ケ原土地改良区連合と契約し小水力発電の電気を子会社の「うなかみの大地」を通じて購入。小水力発電の先駆者である同土地改良区連合との連携、うれしい限りである。さらに山形のある土地改良区とも契約し、今年中に小水力発電がパルに入ってくる。固定買取の価格よりも1-2円高く購入してくれるシステムであり、東京までの託送料も同生協が負担する。

この仕組みは、今後の電力自由化を前にしての動きであり、ビジネスとして新電力会社との競合も視野に考えておかねばならない。その意味で生協がこの分野に積極的にかかわってくれることは消費者サイドとしてありがたいし重視したいことである。また、小水力発電に取り組む土地改良区にとってもありがたい存在であり、一層の資源開発・自然再生エネルギーに取り組む動きを期待したい。